話を聞いてもらうだけでスッキリすることの多いなかすけです。
教師として子どもや保護者からいろいろな相談を受け、なにか助言をしないといけないという気持ちになって悩むことはありませんか?
実は、助言などせず、話を聞いてあげるだけでいいのです。
これは臨床心理学でいう「来談者中心療法」というものです。
なぜなら、人間は誰でも豊かに成長する資質を自己の中にもっているのです。
クライエントの潜在回復能力を引く出すことが大切なのです。
この「来談者中心療法」はロジャースによって創られたカウンセリング理論でとても有名なものです。
この記事では、「来談者中心療法」を学級経営に活かす方法を教えます。
この記事を読むと、「来談者中心療法」について理解ができ子どもたちとのかかわりが理解できます。
結論は、「来談者中心療法」を理解して関わることで、子どもや保護者とのラポール(信頼関係)を築き、クライエントが自ら問題を解決していけるようになります。
来談者中心療法とは
人間は誰でも豊かに成長する資質を自己の中にもっている。日々の生活はその成長へ向かうものであると考えた。問題が生じているのは、その潜在能力が何らかの障害によって妨げられたときである。そして近くにいる人が、その悩みを心から耳を傾けて聴くことによって、問題を抱えた人は再び自分の力で前に歩んでいくことが可能になると主張した。
教師の三条件
実際は「カウンセラーの三条件」であるが、学級経営に合わせて考えるため「教師の三条件」として書いていきたいと思います。
①自己一致
教師が、児童や保護者との関係の中で、態度に裏表なく、ありのままで純粋であること。
②無条件の肯定的尊重
審判・批判的な態度ではなく、子どもや保護者の存在を無条件に受け入れること
③共感的理解
児童や保護者の内側の世界をその立場のように感じ、同時に自分を失わないこと。
教師の三条件を学級経営に活かす
この三条件を子どもたちに伝えていく過程を「傾聴」といいます。
「傾聴」することで、ラポール(信頼関係)が築けるのです。
教師は子どもが相談に来たら共感的理解をしてください。
・子どもの世界を子どもの視点から受け止める。
・決して自分を同一化したり、同情したりしない。
「この先生は僕の話をしっかり聞いてくれる。」
「この先生なら何でも話せる。」
「この先生は信頼できる。」
という気持ちを子どもがもつようになるでしょう。
そして、子どもが抱えている問題を自ら話すことができるようになるのです。
子ども自身が自分の問題に気付き、その時の感情などを明確化していくことが問題解決への糸口になるのです。
学級における「来談者中心療法」の注意点
来談者中心療法を行うには時間が必要です。
忙しい学校現場で子どもたち一人一人に対してこの方法を使うことはとても難しいと思います。
だからこそ、問題を抱えた子や相談が必要な子に対して時間を取って面談をしてください。
保護者であれば、相談に来た時に共感的理解を示しながら対応することができると思います。
まとめ
教師は答えを出したがったり、助言しないといけないという気持ちが先行してしまうことがあります。
しかし、子どもも保護者も自分の中によりよくなるための答えをもっているのです。
教師の三条件を意識し、「傾聴」し、共感的理解をすることでラポール(信頼関係)を築きいてきましょう。
学級の問題に対しても「来談者中心療法」を活用することで、子どもたちの中からよりよい解決策が見つかると思います。
教師が引っ張るのではなく子どもたちが学級をよくしていけるといいですね。
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